CULTURE2023.03.10

「背中を見せる」ではなく、「背中を押す」先輩・後輩の形。

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目次

「インテリアデザイン」という言葉は一見華やかだが、その裏には地道な作業と努力がある。空間を創り上げるインテリアデザイナーのふたりに、先輩・後輩の関係性や仕事の考え方について話を聞いた。

〈左〉岡本 大 Okamoto Masaru(2023年1月入社) 〈右〉岩田 拓 Iwata Taku(2019年10月入社)

これまでの経歴は?

岩田:高校を卒業したあと横浜の大学に入ったんですが、ぜんぜんしっくり来なくて2年でやめて。なんか資格でも取ろうかなと思ったときに、インテリア系の分野に興味を持ちました。そこからインテリアデザインを学ぼうと専門学校に入ったんです。そのときはなにがなんだかわからなかったけど、面白そうだなと。そこから札幌の店舗デザイン系の事務所に入って、今に繋がっている。行き当たりばったりの人生です(笑)

岡本:僕は別海町の出身なんですが、室蘭の大学に進学して建築を学びました。元々物を作るのが好きで、特にでっかいものを作りたいなと思って。建物なら大きくていいなと思っていたのと、「結婚できない男」というドラマで主人公が模型を作るのが面白そうだなと感じて、建築の道に進むことを決めました。大学を卒業してからは、札幌でアトリエ系の建築設計事務所に入社。そのあとフリーランスになって仲間とユニット的な事務所を作り、そこからやっぱりもっと学びながらチームで仕事をしたいと思って、NEWに入社したという感じです。

前職やフリーのときはどんな経験をした?

岡本:元々フリーランスになったのは、会社の仕事と副業でやっていた仲間との仕事、2つの両立が難しいと思ったからなんです。このままだとキャパオーバーになるなと思って、事務所を退社してフリーに。でもフリーになったらまた、この体制では厳しいかもと感じたんです。当時はクライアントさんと自分たちの間に、建築会社が入って発注をもらうことが多くて、いわゆる下請けとして仕事をしていた。でもお客さんの声も直接聞けない状況で、いいものは作れないと思ったんです。そこから経験を積むために就職先を探して、NEWはまさにお客さんと直接やり取りすることを大切にしていたので、ここしかないなと思いました。

岩田:最初に入った建築士事務所には、4年半所属していました。厳しい環境ではありましたが、設計に関する実務にも携わりながら勉強させてもらいました。その後はグラフィックデザインをやっている人と一緒に組んで仕事したいという気持ちが出てきて、デザイン事務所に入りました。その会社にも5年くらいいて、いい経験をさせてもらいましたね。NEWに入ったのはその後です。

実際に働いてみてどうだった?

岩田:最初は正直、あまり変化はなかったです。たぶん入社当時はまだノリオさん(代表の倉内)と仕事をしているという感覚が強かったんですよね。前の会社でもグラフィックデザイナーと組んで仕事していたので、石塚さんと一緒にやることにも違和感はなかった。実際に変化を感じ始めたのは人が増えて、「パニューン(NEWとPATTERN PLANNINGを合わせた造語)」でやりはじめてからですね。今まで経験してきた領域よりも、幅も深さもぜんぜん変わりました。特にプロモーションまでやることはなかったので。

岡本:外から見るとNEWのデザインは複雑だと思っていましたけど、人と人との関わり方も複雑だなと。一つの話題から、突然ブレストやアイデア出しみたいなものが会社全体で巻き起こる環境がいいなと思いました。こういう環境だからこそ色んなクリエイティブが生まれているんだと実感しましたね。

お互いに先輩・後輩という存在をどう感じている?

岡本:今までは先輩がいたことがなかったので、とてもありがたいです。最初に入った会社はボスと自分だけでしたし、フリーになってからは同世代の仲間だけ。これまでの関わり方よりもなんでも相談しやすいですし、タクさん(岩田)が優しいので話しかけやすい。困ったときは何かしら手を差し伸べてくれるので、その安心感があるだけでぜんぜん違います。

岩田:自分もこれまで先輩らしい先輩もいなくて、後輩もいたことがない。社内でも個人プレーのような環境が多かったので、初後輩です。一人でできることは限られているので、二人で取り組めるのは嬉しい。ありがたいなと思っています。入って早々、一つの案件を自分でやり遂げたのはを見てすごく心強いと思ったし、案件を自分の頭から一つ外せるだけでもだいぶ違いますから。ゆくゆくはそれぞれの仕事の色が出たりしていくといいなと思っています。

岡本:何を大事にするのか、価値観や重きを置いていることにもよって個性の色が変わってくるのかも知れないですね。

二人はどういうデザインが好き?

岡本:いろんなものが乱立しながらも、整っている感じが好きです。多様性さえもコントロールしているような。

岩田:基本的にシンプルなものが好きですね。ごちゃついていないというか。普段から極力要素を絞るようにしています。情報を絞らないと他の要素が引き立たないこともあるので、どのあたりがちょうどいいのか検証する時間を作るようにしてますね。ブランドの企画書を見ながら案件ごとに考えていますが、型にはめていくようなことはしたくないなといつも思っています。

岡本:「遊びやユーモアがありながらも整っている」というNEWの仕事に抱いていた感覚は、まさにそんな感じかも知れません。

今後チャレンジしたいことは?

岡本:まだ入ったばかりではあるんですけど…衣服とかファッションの仕事をやってみたいと思うことがある。でもどんなお店でも、良くしていける可能性が多い仕事にやりがいを感じますね。

岩田:ホテルがやりたいですね。一回経験してみたい。大きなものじゃなくても、コンパクトな宿泊施設とかを作れたらと思います。居心地とかバランスとか、難しいなと思う分チャレンジしてみたいという気持ちが強いです。

相手に聞いてみたいことはある?

岡本:えーと…それじゃあ、「自信を持てるようになったタイミングはいつからですか?」

岩田:自信は未だにないです(笑)最初は訳もわからずやっていたけど、途中からなんとなく流れが掴めてきて。毎回失敗したり怒られたりしながら、できないことを潰して少しずつスムーズにやれるようになってきたのかもしれません。でもまだつまずくこともあるし、毎回「もっとこうしたらよかったな」と思うこともある。でも逆にそれがなくなったらヤバいなとも思っていますね。

岩田:自分からは…「目標や目指したいものはありますか?」

岡本:人生の目標みたいな感じでもありますが、お金や地位に関係なく、いろんな人と仕事ができるようになりたいです。ゴージャスなものから、予算がなくてもできるものまで、幅広いデザインができるようになりたいなと。

岩田:本人がなりたいものになるのが一番だと思うから、幅広いことに関わってもらえるようにと思うし、そういう仕事を作っていきたいですね。

岡本:そう言ってもらえてうれしいです!まずは自分も成長していけたらと思っています。グラフィックチームのようにインテリアチームの中でもブレストできるような環境があると、もっと深めていくことができると思うので、自分がタクさんにとってそんな存在になれたらと考えています。

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