CULTURE2023.03.10

足し算を掛け算に。高め合いから生まれるユニークさ。

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目次

年齢も性格も異なる3人。でもどこか通じ合うところがある。お互いに高めあえるような関係性はどのように生まれているのか。NEWの個性豊かなデザインを支える、グラフィックチームに話を聞いた。

〈左〉佐藤 翔吾 Sato Shogo(2022年2月入社) 〈中央〉石塚 雄一郎 Ishizuka Yuichiro(2018年12月入社) 〈右〉三村 啓介 Mimura Keisuke(2021年3月入社)

入社するまでの経緯は?

石塚:ノリオさん(代表の倉内)が独立して4年くらいのときに久しぶりに会って、仕事の話をする機会があった。当時はようやくせいすができたくらいだったから、今こんなことしているんだーみたいな話を聞かせてもらって、楽しそうだなと思ったんだよね。元からつながりのあったノリオさんと働きたいなという気持ちもあって、転職を決めた。でもこんなふうになりたいとか、将来のことまでは考えられていなかったな。こんなに人が増えるとも思っていなかったし。

三村:俺は自分から「一緒にノリオさんと働きたい」って言ったのがきっかけ。以前に広告会社でノリオさんの隣で働いていたことがあって、将来的に「いつか一緒に働けたらいいな」と思っていたこともある。石塚さんとも過去に個展をやっていたことがあって、もともと信頼があったから、その二人がいるんだったら例えすごく辛くてもやれるなと思ってた。

佐藤:僕もみなさんと同じ会社を経験していたので、もともと存在を知ってはいました。だからNEWのこともずっと頭にあって、2日置きくらいにWEBを見続けた時期もあります(笑)。自分がチラシやロゴを1個作っている間に店舗が1つ立ち上がっている!くらいのスピード感に衝撃を受けました。それから自分も結婚することになり、当時いた釧路から札幌に戻りたいという想いが強まったんです。もっとスキルアップをしたいと思っていたし、できるならNEWに入りたいと思ってダメもとでアタックしたら、入社できることになったという感じですね。

NEWで働きはじめてからお互いに発見はあった?

石塚:もともと時期は違うけど3人とも同じ会社に所属していたことがあって、面識はあったんだよね。ミム(三村)とは数年ぶりに働いて、NEWの前に入っていた会社も知っていたから、そのときよりは確実にレベルアップしているだろうなとは思っていた。4つしか年齢も違わないから、自分と近い経験をしているだろうなって。前の職場はミムに合っているなと思って見ていたから、NEWに来るとは思っていなくて。その頃めちゃくちゃ人がほしかったから、そんなときにミムが来てくれるというのは「これはいいぞ!」と思ったな。

三村:10年前に一緒に働いてはいたけど、その後、石塚さんは世界的な賞も取っていたから当時とは違っているだろうなと。だからなんとか食らいついていかないとと思っていた。実際に目の当たりにしたら、石塚さん、こんなにデザイン作るの早かったっけ!?って焦った(笑)手書きのラフデザインで大枠を固めてから、仕上げるまでがすごく早い。

石塚:スピード感については、前の会社でかなり鍛えてもらった気がする。最短距離を探すような癖がついたというか。そういう経験値がある状態で、NEWに入ったからよかったのかもしれないね。

佐藤:僕はスピードも作るものも、めちゃめちゃ圧倒的な差を感じてしまった(笑)あれ?自分は今までちゃんとデザインやってたのかな…くらいの気持ちになってしまって。ミムさんからは造形の美しさとかを教えてもらったし、石塚さんからはコンセプトから形にしていくということを教えてもらった。両軸で自分もスキルアップしてきたかなという感じがしてる。前職ではなんとなく一年のルーティンが決まっていて、スキルの向上につながっているのか不安があった。NEWに来てからは、自分がスキルアップしている実感が持てている。ふたりのスピード感やアウトプットのクオリティを見て、くらいついていかなきゃと毎日刺激をもらっています。

NEWに入ってから、自分のデザインは変わった?

佐藤:NEWに入るまでは、「手癖」みたいなのがけっこうあったと思います。コンセプトを元にして、この要素をここに着地させようみたいな。ズレてはいなくても、それが本当にいいものなのかと考えたら個性的ではないものが多かった気がする。1+1=2だから間違っていないよね!みたいに優等生でおもしろくないものを作っていたような。勝手に自分で自分を縛ってしまっていて、全部似た案になってしまっていたり。振り幅が結局小さくなってしまっていた。

石塚:入った頃は俺もよくノリオさんから言われて、修正することが多かった。時間がなくてノリオさんが直して出していたこともあったから、不完全燃焼だったこともあったよ。だんだん言われていることのニュアンスとか、「ユーモアが欲しい」という意味がわかってきて。せいすの案件とかを担当したときに、「そっか、こういうのおもしろいな!」と学んでいって、今となっては自分もオモシロおじさんみたいになっているけど(笑)NEWの個性って、そういうところだなと思うようになったね。クオリティ高く、かつ人を楽しませられるデザインっていうのが自分なりにわかってきた気がする。

三村:共通して言えるのは「ユーモア」とか「ユニーク」ってことかもしれないね。奇抜ということではなく、そのデザイン自体に個性があるのか。そこが一つ基準になっていると思うし、自分たちの核かもしれない。

それぞれのデザインの特徴は?

三村:石塚さんのデザインはやっぱりユニーク!なにかしら一個、おもしろポイントを持ってくるというか。そこが愛らしさとか、ボケたがりみたいな、いいところを突いている感じがする。記憶に残すための仕掛けでもあるんだけど、ギミックというか、お?と気づくとおもしろいポイントをフラットな中にも残している。

佐藤:石塚さんはおふざけの大先輩なので(笑)自分のラフとか見てもらっても、これはこういう感じで面白くしたらいいんじゃない?というアイデアに思わず笑ってしまうことが多い。

三村:何度打ち合わせ中に爆笑したことか!(笑)

石塚:ミムは鋭いデザインがあるね。切れ味がいい。最近はチャレンジングなこともやっているし、全然思い浮かばないって悩んでいるときもあるけど、いつも新しいところへステージを上げ続けている感じがする。ストリート魂的なハングリーさ。

佐藤:あとミムさんは案件ごとに、クライアントに合うアウトプットの手法を編み出している感じがありますね。バーンってストレートな中にも、見る人によっていろんな景色が想像できるような作り方をするところがすごいなと思います。

三村:褒められるとちょっと照れちゃうね!笑 クライアントによって表現を変えながら、その持っている匂いだったりポイントはどこなんだろう?と毎回探っていて。ワンアイデアでストレートに伝わるものが好きだから、そういうものを作りたいと思ってる。

石塚:翔吾は一言でいうと真面目だね!言われたらしっかり上がってくるけど、その振り幅にまだ迷っているとこはある。でも迷った末にできあがるものはすごくいいし、飲み込みとか吸収が早いから、今はもう安心して見られる感じがする。あとWEBデザインはもう敵わない!入ってからも急成長したよね。さらっとしたデザインが多かった中で、きれいに整えるようなものだけじゃなく、ギミックの効いた細かい動線とか小ネタも入れているところに驚嘆したね(笑)

三村:1+1=2のデザインじゃなくなったんだと思う。いろんな要素とか、このクライアントにはこの雰囲気が似合うんじゃないかという、空気も含めてデザインできるようになったんじゃないかな。コピーライティングの技術もあるから、言葉からデザインを紡ぎ出せるのも強みだと思うし、自分にはできないことだなと思う。

今後チャレンジしたい仕事は?

三村:本が好きだから、ずっと装丁がやりたいと思ってる。たとえば教科書とか。今は店舗のデザインとか、それ以外のものもたくさんやっているけど、世の中で飲食店に行く人も行かない人もいる。そういう意味では教科書とかのデザインができたら、もっと広い人に触れるものを作れるなって。

佐藤:僕は一つのブランドに対して、もう少し関われる幅を広げていきたい。あとは自分はパンが好きなので、パン屋さんのブランディングとかもやってみたいです。

石塚:俺はお酒(日本酒とかワインとか)のエチケットがやりたいな。パッケージはこれまでいろいろやってきたけど、お酒はなかったから作ってみたいなと思う。あとはNEWに入ってイラストを描くことが増えたから、絵本とかも作ってみたいかも。

三村:博物館とかのサインとかもやってみたい!公共施設のサインとか、たくちゃんとまさる(インテリアデザイナーの岩田と岡本)に内装をお願いして、そのインフォメーションサインとかはやりたいなと思う。

佐藤:あと思い出したのは、地元である銭函を離れてしばらく経つけど、今外から見ると注目されていたりする。改めて自分が住んでいた場所にデザインで関わっていくとか、小樽だったら宿泊施設とかもやりたいなと思う。ホテルの仕事とかもやりたい。

石塚:ホテルだといろんな要素があるもんね!サインも飲食店も。いつか実現できるような気がするよね。

NEWに入って、なにが変化した?

三村:大きく変わったのはNEWに入ってから、よりデザインが好きになったことかな。

石塚:仕事にかける時間は変わらないと思うけど、俺もより楽しみながらできている。優しい会社ってことだけじゃなくて、効率も良くまわっていると思うんだよね。ノリオさんがいつも楽しんでいる様子もいいし。オープンするお店のレセプションだったり、+glassだったりで、お客さんの反応を直接聞けることも増えた。喜んでくれていることが嬉しいし、やりがいにつながってると思う。

三村:少し「俺ら世の中に役立ってんな」って気がするんだよね。

佐藤:そう感じられる瞬間って、本当に幸せですよね。

どんな人に入ってきてほしい?

石塚:グラフィックチームも3人になって、やっと体制が整ってきた。だから若い人とか経験の浅い人が入ってきても今なら大丈夫な気がする。空気感が合うとか同じような志を持っているとか、そういう人がいいんじゃないかな。

三村:笑顔が素敵な人がいいな。人柄が大事!

佐藤:NEWはみんな優しいけど、デザインについてはストイックにやっていくチームなので、一緒に楽しく追究していける人がいいなと思います!

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