東京白金高輪 店舗設計デザイン 鮨無何有

上海、香港で腕を振るってきた職人が満を辞して母国日本で凱旋鮨。

目次

海外で鮨を握る

Go abrord

店主 大山 武雄という男。

広島県出身。18歳より料理の道を志し、大阪、東京で基礎を学ぶ。オーストラリアに渡り、多国籍料理店に在籍し、和食以外の様々な料理の技も磨く。その後香港の五ツ星ホテルの勤務を経て、上海で「鮨 大山」亭主として圧倒的な評価を集める。同店では「ミシュランガイド上海」をはじめ、様々なアワーズの「ベストジャパニーズ」を受賞。そして2021年に日本へ帰国。日本の魚の繊細な味わいを生かしつつ、ワールドワイドの感覚もエッセンスとして加え、新たな世界を作り出している。

ミッション

Mission

白金高輪というエリア

コロナ直前にオープンしたが辞めてしまった物件を譲り受けここからスタート。昨今激高価格が多い寿司業界。銀座や高級エリアでは1人¥50,000はするような鮨を今回は¥16,500でやりたいという。海外で数々の経験を踏んできた大将が白金高輪で握る鮨をこの価格で出すのはかなり魅力的と感じました。

エリア特性を鑑みても雰囲気は高級必須、しかし値段は良心的な鮨屋が理想。高級鮨に飽きているような方々が日常使いできるような価格帯を狙っていきたいと大将。

現状渡しの店舗。前は京都の舞妓さんが接客するお店だったよう。

コンセプト&ネーミング設計

Concept & Naming

海外と日本を紡ぐ。

海外と日本で研鑽を積んできた大将をイメージし、通常の高級寿司から少しハズした要素を入れ込んでいこうと考えました。和食や鮨では当たり前だったり、むしろ使わないものをなどを入れ込んでいって「海外で修行した鮨屋」という逆輸入的バックボーンをより色濃く出していき、食事に来るお客様にも分かりやすいコミュニケーションが取れるコンセプトを設計。

無何有

無何有〝むかう〟とは「自然のままで無作為に」という意味の言葉。通常の寿司屋であれば日本で何年も修行し店を何軒も周りようやくツケ場に入り、と流れがあるが、海外で修行した鮨を日本でやる。という一見自由気ままに海外を渡り戻ってきてたというように感じるが大将にとっては何の作為もなく自然な行為。まさに無何有。その自由なスタイルで存分に海外のエッセンスを入れる仕事で日本と海外を繋ぐ鮨屋になればという想いも込めた「作為なし」を地で表すネーミングとしました。

クリエイティブ

Creative

〝無何有〟を可視化する。

無何有のロゴは極限まで要素を削ぎ落としつつも可読性のあるものを目指しました。それは鮨の無駄を省き素材の良さを極限まで高める仕事に通じる。また「無」はそれだけでシンボルマークにもなり、そのプロポーションからは余白や墨溜まり、かすれの形状から海面の「海の情景」を表現しています。「すべては海から始まる、船上から仕込みは始まっている」と大将がよく言っていたフレーズから着想したロゴデザインです。

内装設計及び装飾

内装はツケ場以外には照明が当たらないようにベース照明もなく、ステージのように大将とツケ台、天板だけを照らす。天板も日本の鮨屋必須の檜柾目などには拘らなく、優しさを感じる表情を持っている木肌ものをチョイス。それは大将の明るくて優しい接客を示す空間としている。

カウンター天板以外の壁にはほぼ照明は当たらない

器とアートワーク

器も貴重な年代物骨董もあれば現代作家物もおりまぜてます。特に鮨ではあまり使用頻は高く無いガラスも積極的に採用。海の透明感や海外を渡ってきた意味も込めて。こちらも海を表現して何度も試行錯誤したオリジナルデザインで制作してもらった作家客注もの。

壁面のアートワークは現代作家の尾潟 糧天氏の作品を掲出。海を題材にした作品で海の持つ厳しさと美しさの両面性、漲る生命力を表現した作品。 

オープン後と評判

Open

この価格でこのクオリティ。

開店後の評判は上々。狙い通りに価格とクオリティのギャップに一様に驚かれている様子。大将の経歴を肴に、英語も話せる明るい店主と口コミサイトでも評判は良く、早くも予約が取りづらい状況に。銀座などの高級店で手仕事に見入り、じっと固唾を飲んでピンとはる空気の中天井知らずの価格で食すのももちろん良いが、白金高輪という駅至近の好立地でカジュアルで楽しいトークと素晴らしい仕事の鮨を日常的に食せる価格帯の〝無何有〟もまた、良い。

業務領域

SCOPE OF
WORK

  • SNSプロモーション
  • VI
  • インテリアデザイン
  • グラフィックデザイン
  • サインデザイン
  • ネーミング
  • 内装設計
  • 店内装飾ディレクション
  • 店舗デザイン
  • 撮影ディレクション

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