大阪天満 業態ブランディング 餃子イェスタデイ

はしご酒の街「大阪 天満」に新たな旋風を巻き起こす「餃子イェスタデイ」

目次

プロジェクトの背景と課題

Background & Issue

変遷する地元にて新たに専門業態の開発

大阪東京にて飲食店を展開する株式会社G’style。公務員から起業という異色の背景をもつ同社。創業の地である〝天満〟エリアにてこれまではイタリアンバルを中心に展開していたが、天満エリアも様変わりしつつあり、今回変化に対応できる新たな業態開発が必要とのオファーいただきました。

天満というエリア

Area about tenma

ディープ & deep

初めて訪れる〝天満〟。読み方も「てんまん」ではなく「てんま」。当初そんな知識レベルでのスタートでした。天神橋筋商店街というアーケードとしては日本一長い商店街を軸に、数百店の飲食店が乱立するエリア。大都会梅田駅から一駅隣とは思えないディープゾーンである。天満と梅田では家賃はもちろんビールの値段すらも違う、梅田とは異なる顔つきの地域で安くて魅力的なお店がたくさんある事から「はしご酒」が基本のエリアである。

わざわざ狙って裏道に入って探してくるようなお店にしたい

今回の出店場所は裏天満とよばれるエリアの中でもさらにメイン通りから一本裏へ入った場所。メイン通りの賑わいとは違って灯りも少なく夜はあまり人は通らない。はしご酒のついでだけではなく、目的来店してもらえる業態を作らないと裏道なので戦えないという。だとすればオープン前からある程度情報を流し、空中戦が必要であることはこの段階から意識していました。

テナント

Property

戸建物件

今回の物件は戸建。2フロアで居住用的な装い。新築しとてもきれいな外壁ですが、このままでは店舗としては使用できないのでファサードの大幅なデザインが必要。それこそ裏路地にあるこの建物の内外装は集客のキモとなるので初期段階から着手しなければならず、どのような方向性で進めるかのベースコンセプトが先だって必要となりました。ただ裏路地と言っても、戸建のこの一体感のある大きな面を使って表現できるのは強みでもあるし創造力を掻き立てられワクワクしていたのを覚えています。

コンセプトとクリエイティブ

Concept & Creative

昨日食べたのにもう今日食べたくなる中毒性のある餃子

美味しすぎて昨日に戻ってでももう一度食べたい!というコンセプトから「昨日食べたのに、 今日もう食べたい。餃子イェスタデイ」に。とにかく餃子の専門店という事を打ち出すべく、ネーミングも分かりやすいものにし「大阪天満餃子」と銘打ちあたかも昔から天満の人々に愛されている餃子ということが瞬時にわかるようにしました。

仄暗さにギャップと遊びを。

外観はギャップを、内観は下町感のある雰囲気を作り、煩雑さでの中に居心地の良さも出したい。その為、席や通路の間隔も通常よりかなり狭く設定することで上記の狭小煩雑感を計画。この裏通りの店舗外観は下町の顔つきが多い中で、ファサード一体の大きな面で良いギャップを出しました。

ファサードの表面は餃子の形状をモチーフに亜鉛メッキを鱗状に貼り落ち着いた中にも主張強めな仕上げに。

店内は懐かしさを感じる下町昭和。

昭和時代のアパートにあったタイルや、玄関先の古いブラケット照明、みんなの集いの場のスナック要素も個室に。さらにテーブル天板も昭和の中華食堂を彷彿させるものを作り全体的に大衆感と現代感の両方を目指しました。インフォサインと演出を兼ね備えた各所照明には様々なコピーで餃子愛のある遊びを入れることで内装の全体的なカオス感でSNSへの誘導を狙いました。

グラフィックによる演出によりさらにブランドの世界観を分かりやすく

サイン、のれん、調味料、制服、テーブルウェア、グラス等すべてにオリジナルのグラフィックを施すことによってブランドの一体感を出し、働くスタッフやお客様にも分かりやすくブランドの狙っている方向をリーチさせました。思わず写真を撮ってしまいたくなるデザインと、今回はブランド観に合わせた魅せる器、カトラリー、テーブルウェア全般もブランドの一部としてセレクト。このような細やかな箇所までこだわる事でさらに一段階上の空間へ。

SNSからOPENへ

Social network & Opening

Open前からSNSにて発信。

メニュー撮影、店舗、グラフィックなどが出揃い、いよいよオープンを控え残るは集客となり、事前よりInstagramをメインにティザー的に投稿を開始しました。新しくお店がオープンする告知はもちろんのこと、行きたくなるブランドの世界観の様々な片鱗を少しだけ出して行くことによって期待感を高めて行きます。これによりオープン前までに1000フォロワーを超え保存数もかなりの数を獲得していきました。メディア出稿に頼らずSNSからスタートし話題が醸成した頃にTVや雑誌などの媒体へ露出していくのはコストも抑えれて理想的でした。

初日からウェイティング

満を辞してオープン日、お陰様でSNSの効果により若者が行列を作り、それを見て通りすがりの人も並び始める状態へ。コロナ真っ最中でのオープンでしたが、非常事態宣言や時短営業の合間のタイミングを上手く縫って、いつも満席で行列ができてるいる話題のお店へと進み始めました。餃子というスナック感覚で食べられる特性と天満の昔から根付いているはしご酒の地域性がマッチしてとても回転の良いブランドとなりました。

G’styleの代表が愛してやまない餃子をメインにした専門店は、瞬く間に天満の人気店へとなりましたが、「絶対に美味しい餃子をつくる」という代表の強い意志があったからこそ。クリエイティブやデザイン、プロモーションなどは完全に任せますので思う存分やってくださいと、初めての仕事にも関わらず全幅の信頼を寄せていただきました。これにより当社も臆する事なくプロジェクトに集中できる環境を提供してくれた代表の胆力と決定力はすばらしいものでした。繁盛店を生み出すには、どちらも凄まじく同等の熱量を持って、どちらかが受けに回らないようにコミュニケーションを形成していくのが、やはり重要だと感じたプロジェクトでした。

様々なメディア露出

その後は専門誌、タウン誌、テレビ収録中継等々に順調に取り上げらていましたが、飲食店では中々ないファッション業界の大手Freak’s storeの企画でレストランロゴT-shortsに採用していただいたのはともて嬉しかった出来事。人気飲食店はもちろんの事、デザインにフォーカスして見てもらてるのは素直に嬉しいです。

餃子イエスタディの前後にも若者を中心として魅力的な店舗がたくさん出現し天満は注目の場となっています。昔は地元の人しかいなかった場所に新たに若者のカルチャーが形成されていく。新旧混ざり合い老若男女が楽しめるエリアへ進化していく可能性をヒリヒリと肌で感じるエリアです。

画像提供:DAYTONA INTERNATIONAL

業務領域

SCOPE OF
WORK

  • SNSプロモーション
  • VI
  • インテリアデザイン
  • グラフィックデザイン
  • サインデザイン
  • テーブルウェアディレクション
  • ネーミング
  • ブランド開発
  • マーケティング
  • メニュー開発アドバイザリー
  • 内装設計
  • 店内装飾ディレクション
  • 店舗デザイン
  • 撮影ディレクション

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